スタンフォード監獄実験



2014年8月29日

今から40年以上前の1971年に、アメリカ海軍の進言により、スタンフォード大学においてある実験が行われました。
その名は「スタンフォード監獄実験」
現在では”人体実験”と称されることもある悪名高い実験の一つです。
実験の中核となったのは当時のスタンフォード大学教授、フィリップ・ジンバルド博士でした。

その実験とは、大学の行動を刑務所に見立て、刑務所のシミュレーションを大学内で実施するものというものでした。
被験者達は新聞広告によって集められ、その条件には心身ともに健全であることがあげられていました。
70名の候補者の中から選りすぐられた健全な21名は、コイントスにより無作為に囚人と看守に分けられ、実際の刑務所とほぼ類似した環境の中で2週間を過ごし、どのような変化が見られるかを検討する、という実験でした。

実験開始

参加者たちは当初非常に楽観的で、2週間、囚人ごっこ、看守ごっこを行うだけで高い報酬までもらえるアルバイト、というような気軽な認識の人たちが殆どでした。
また、募集をかけた側のジンバルド博士を中心とした研究者たちも、特に大きな問題や収穫は発生しないであろうとの予測のもと実施された実験でした。

実験初日、囚人役の参加者たちは市警の協力のもと、強盗容疑をかけられた犯罪者という設定で本物のパトカーに乗せられて自宅から刑務所へ連行されるところから実験は開始されました。
刑務所(スタンフォード大学)に到着すると、本物の刑務所と同様に囚人役は着衣を強制的に脱がされ、シラミ除去の薬剤を散布された後、簡素な囚人服と囚人番号を与えられました。
簡素な服装はゴワゴワした着心地の悪い綿のワンピースにペラペラのゴム草履、そして坊主頭を模倣するために頭にストッキングをかぶせられるというものでした。
その一方で、看守役の参加者達はカーキ色のパリッとした刑務官の制服と木製の警棒、更には囚人と目を合わせず表情を読み取られないようにと反射型のサングラスも与えられました。

暴動発生

実験開始から2日目、早くも暴動が発生しました。
囚人役たちが刑務所内で些細なことで苛立ち監獄内にベッドでバリケードを作成したのです。
それに対し、看守らは最終的には囚人役に向けて消火器を発射し、囚人役がひるんだところで全員を裸にし、主犯者を独房に見立てた倉庫へ送致したのです。
その独房は暗闇で、トイレは無くバケツに用を足さねばならないような簡素なものでした。

その後、看守らは囚人の暴動を恐れるあまり、必要以上に囚人に対して加虐的になっていきます。
態度の悪い囚人に腕立て伏せなどの体罰を与えたり、素行不良な囚人には入浴を拒否しトイレ代わりのバケツの排泄物を放置するなどの精神的虐待を加え始めたのです。

看守になりきる被験者達

8706522771_893be921a3_z実験開始からたったの2日後に早くも1人の囚人役が実験からの離脱を求めましたが、看守らは「仮釈放の審査」を行い、結果離脱を認めませんでした。
報酬など、全ての条件を捨てての離脱を希望したにも関わらず、看守役がそれを阻止したのです。

その後も看守による囚人の虐待はエスカレートしていきました。
午前2時に囚人を起床させたり、屈辱感を与えることを目的にほぼ素手であるトイレットペーパーの切れ端のみでトイレ掃除や靴磨きをさせたり、最終的には禁止事項とされていた暴力が開始されるまでになってしまったのです。

そして2名の囚人役が精神に異常を来したため離脱する事態となります。

この間、不可解であったのが、参加者の家族や友人が自由に刑務所を訪れて実験の様子を見学し、参加者と接見する機会があったにもかかわらず、参加者のうちの誰も外部の人間に本音や助けを求めることをしなかったという事実です。
この事象の真相は明らかになってはいませんが、おそらく囚人役たちが看守による仕打ちを恐れ、外部の人間に真実を伝えることをためらったためだと言われています。

たった6日で実験は中止

ジンバルド博士はこの状況を全て把握しながらも、リアリティを増す実験にのまれ続行をしましたが、刑務所を訪れた牧師がこの看守と囚人の危険な主従関係を家族へ連絡し、家族が弁護士に連絡し、ようやく協議の末2週間の予定だった実験は6日間で中止されました。
しかし、中止が決定していながらも看守たちは「話が違う」と実験の続行を希望したと言われています。

このスタンフォード監獄実験を通じ、もともとのパーソナリティとは関係なしに、強い権力を与えられた人間と無力な人間が狭い空間で生活を共にすると次第に理性の歯止めがはずれ暴走を開始する、という事が判明しました。

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未解決年数

Summary: 人間の理性は、いとも簡単に状況によってそれに合わせて変わってしまうのだ。人間心理にはまだまだ謎の部分がお多い

3.5

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