史上初のマスコミ劇場型連続殺人事件ゾディアック事件の犯人は誰か?



2014年8月30日

1968年、アメリカ、カリフォルニア。
それはクリスマスを数日後に控えた12月20日の夜のことでした。
午後11時頃、息子を駅まで迎えに行こうと通称「恋人たちの小道」と呼ばれる湖のほとりの道を車で通りかかった女性が、道に倒れている2人の人影を見つけます。
怖くなった彼女はそのまま車を走らせ、国道近くになったところでパトカーを見つけ、ようやく先ほどの出来事を報告します。
現場にはすぐに警察と救急隊が駆けつけましたが、倒れていた2人の命は助かりませんでした。

倒れていたのは高校の同級生だった17歳のデヴィットと16歳のベティでした。
恋人同士だった二人は湖畔に車を止め、愛を囁きあっていたところを何者かに襲われたと推測されています。
車外へ出るようにと命じられた二人は恐怖のあまり初めは拒否しましたが、犯人が後ろの窓ガラスとタイヤに弾丸を打ち込み、驚いて車外へ飛び出したところ2人も撃たれたものでした。
警察が駆けつけたときデヴィットは既に死亡しており、ベティはまだ少し息がありましたが、病院へ搬送される途中で死亡しました。

これが、後世に恐怖の代名詞として語り継がれる「ゾディアック事件」の最初の事件でした。

連続殺人

最初の事件から半年後、1969年の夏に2つ目の事件が起きます。
驚くべきことにそれは、犯人と思われる男からの電話によって判明するのです。
お昼時の比較的のんびりとした時間帯のことでした。
警察署に1本の電話がかかってきたのです。
「二つの殺人を報告しよう。
コロンバス・パークウェイを東に1マイルほど進んだ辺りの駐車場で、茶色の車に乗った男女が死んでいる筈だ。
凶器は9ミリのルガーだ。
俺は去年もこんな連中を殺っている。
あばよ」
それは野太い粗暴な男の声でした。
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警察が指定された場所へ駆けつけると、男の言った通り2人が現場で倒れていました。
今度の被害者は19歳のマイケルと22歳のダーリーンでした。
ダーリーンは全身計9発も弾丸を浴びており、救急車の中で死亡しました。
マイケルは首を打たれ舌を弾丸が貫通している状態ではありましたが、何とか一命を取り留めました。
その後話ができるまで回復したマイケルの証言により犯人像が見えてきました。
犯人は身長170cm程度。丸顔でがっしりとした体格の男性で、年齢は25歳~35歳ほど。
髪の色は茶色で短髪でした。

暗号文を新聞社に送りつける犯人

article-2144527-1317D413000005DC-851_306x300第2の事件から1ヵ月後、地元の新聞社3社に犯人と思われる人物からの手紙が届きます。
そこには、2つの事件に関する犯人しか知りえない情報(銃弾の数や銃弾の銘柄、被害者の倒れていた体勢や向き)が記されていたとともに、謎の暗号文が同封されていたのです。
手紙の差出人は自らを「Zodiac(ゾディアック)」と名乗り、署名の代わりに丸の上に十字を重ねた謎の記号が記載されていました。

暗号文は3社の新聞に全文が掲載され、全米が暗号解読に取り組んだのです。
その結果、ある高校教師の夫婦がこの暗号を解読することに成功したのです。

暗号文の内容はこのようなものでした。

「俺は人殺しが好きだ。とても楽しいから、森でケモノを殺すよりも楽しい。
人間は一番危険な動物だ。
殺人は俺にとっては最高のスリル。女の子とセックスするよりも楽しい。
特にいいことは、俺が死んで楽園に生まれ変わった時、俺が殺した奴らはそろって俺の奴隷になるところだ。
俺の名前(本名)は言わない。
言えばお前たちは、将来、俺が生まれ変わった世界のために、今やっている奴隷狩りを邪魔するか、やめさせようとするからだ。」

第3の事件

1250755867_zodiakそれからおよそ2ヵ月後、世間がゾディアックを忘れつつあった中、第3の事件が起こります。
とある湖畔で大学生カップルが食事をしていると、突然覆面をかぶった男が現れたのです。
男は片手に銃、片手にナイフを持ち、「金を出せ!」と叫んだのです。
パニックになったカップルは、男の言うとおりにしますが、男はカップルをロープで縛ると2人をメッタ刺しにしたのです。
その後、男はカップルの車に自分が行った2件の殺人の日付と丸に十字のマークを書き、立ち去りました。

この第3の事件はまたもやゾディアック本人と思われる人物からの警察への電話で明らかになっています。
野太い声でカップルを襲った場所を説明する電話が警察署へかけられてきたのです。
警察が駆けつけると、二人はまだ生きていましたが、女性は収容先の病院で数日後に死亡しました。

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images警察内での捜査が難航する中、それから2週間後に第4の事件が発生します。
タクシーの運転手の男性が乗客として乗せた男に、後部座席から弾丸を打ち込まれ命を失ったのです。

テレビ出演

第4の事件の後10日後、再び警察署にゾディアックから電話がかかってきました。
その電話の内容は驚くべきもので、『自首をすることにした』というものでした。
しかし、有名な弁護士をつけることと、人気テレビ番組のトークショーに電話出演して話をさせること、という条件をつけてのものでした。

警察はこれらの条件をのみ、有名な弁護士をつけ、ゾディアックのテレビ番組への電話出演が決定したのです。
約束の時間に、ゾディアックは本当にスタジオに電話をかけてきました。
しかし、その声はいつもの野太い声とはかけ離れたか細い少年のような弱弱しい声であり、警察はゾディアック本人ではないとの判断を下しました。

その後、弁護士のもとにゾディアックを名乗る人物からの手紙が届きます。
『俺は自分から助けを求めることが出来ない。俺の中のもう一人のあいつがそうさせてくれないからだ。
だんだん自分にブレーキをかけられなくなっているのが分かる。そのうちブレーキが壊れて、9人目、10人目を殺してしまいそうだ。
助けてくれ。俺は溺(おぼ)れかけている。』
その手紙はスペルが乱れ、精神状態が通常ではないことが文字からも読み取れるものでした。

この手紙を最後に、ゾディアックからの連絡は途絶え、現在までこの連続殺人事件の犯人は逮捕されることなく真相は明らかになっていません。

最重要容疑アーサー・リー・アレン

The-Zodiac-Killer-Arthur-Lee-Allenアーサー・リー・アレンというIQ136の男が真犯人であるという説があります。
リーは、2番目の事件の被害者、ダーリーンをストーキングしていた男です。
彼女がゾディアックに殺害される4ヶ月ほど前、彼女のベビーシッター(彼女は結婚して子どもがいた)が不審な車を見かけダーリーンに報告をすると、ダーリーンはこう答えたといいます。
「奴は私を見張っているの。だって、私は奴が人を殺すところを見てしまったから」

そして、リーはダーリーンの新居で開催されたパーティーにも出現しています。
カジュアルなパーティーであるにも関わらず、正装で会場に現れたリーは非常に場違いであったといいます。
ダーリーンの妹は、リーが現れるとダーリーンが非常におびえ始めたことを記憶しています。
不思議に思い「誰?」と訪ねると、ダーリーンが「絶対に近づいてはだめ」と答えたとの事です。

しかし、リーのDNAとゾディアックから送られたとされる手紙についていたDNAは一致せず、リーは既に59歳でこの世を去っているのです。

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果たして、ゾディアックはリーであったのか、それとも全く別の真犯人が存在しているのか、真相は依然として闇の中です。
ゾディアックが新聞社に送りつけた暗号文は、実は全文は現在も解読されていません。
高校教師夫妻が解読できたのは半分の408文字のみ。
残り半分の340文字の暗号は今もなお未解読のままなのです。
果たして340文字の中に真実が記載されているのか、最初の事件から40年以上が経過し風化しつつある日常の中で、真実が明らかになる日は来るのでしょうか。

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未解決度指数

Summary: 劇場型犯罪の元祖として語り継がれるゾディアック事件は、デビッドフィンチャー監督により映画化もされている。

3.5

ポイント
信憑性
未解決期間
未解決度
謎が解けたときの影響
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